飼い主とペットの高齢化
僕の実家には猫がいるのですが、僕が中学生の時に拾った猫ですでに15年ほど生きています。15年を「齋藤式」なる猫年齢の計算法で人間の年齢で計算してみると・・・なんと90歳!!うちのおじいちゃんより長生きです。他にいた猫2匹の方が若いにも係わらず、数年早く死んでしまいましたので、この老猫はかなり健康だったようです。余談ですが・・・この猫はずっと人懐っこくない猫らしい?猫でしたが、年をとる毎に人間にすり寄ってくるようになり、寝る時や甘えたい時には必ず人の懐に入って来るようになりました。頑固だったり厳しい人間が年をとるとやわらかくなるのと同じなんだなぁと感じました。
さておき、うちの老猫もさすがにあと数年しか生きられそうにないので、飼い主である60過ぎの両親が先に逝くことは無さそうですが、最近では飼い主とペット双方の高齢化が進み、複雑な悩みを抱えている飼い主も少なくないようです。
高齢者のペット事情
高齢者の飼い主の中には、自分が高齢者なのでペットを今から飼うのは難しいと考え、犬や猫などが大好きでも断念する場合が多いそうです。中には以前飼っていた犬猫が死んでしまい、とても寂しいにも係わらず飼うことができないと判断する飼い主も多く、今まで犬や猫のペットに依存していた分余計辛いわけです。とはいえ、自分自身が更に年をとればペットの面倒も見ることも出来なくなる可能性がありますし、散歩なども心配です。少し前にテレビで見たニュースでは、飼い主が心臓発作で死んでしまったが数年間発見されず、ペットだったウサギも発見された時には毛だけになっていたいう話でした。愛犬家・愛猫家の飼い主としては、自分の子供のように可愛いペット達を、こんな目にあわせるわけにはいかないと思うわけです。
ペットの高齢化
人間の医療が発達したように、動物への医療も日々発達しています。今まで救えなかった命も救えるようになったことは、ペット・野生の動物共に大変素晴らしいことだと思います。しかし、人間の高齢化社会への問題が話題になるように、ペットの高齢化も手放しに喜ぶだけというわけにはいかないようです。
人間同様、犬や猫も高齢になるほど筋肉や内臓機能が低下してきます。歩行が困難になったり、トイレが自分で出来なくなったり、寝たきりのように動き回らなくなることもあります。体のあちこちで障害が出始め、何度も病院に行くペットもたくさんいます。飼い主としても、苦しみのない状態にしてあげようと色々と手を尽くすわけです。
高齢化したペットも人間と同じように介護が必要となり、昔のように気軽に家を留守にするということが出来なくなりますし、24時間常に気を配り続ける必要が出てきます。
こんな介護も、ペットである犬や猫を家族として愛しているからこそ出来るわけですが、介護するということも決して楽なことではありません。
ペットを飼えない高齢者の選択
ペットを飼いたくても飼えないと判断する高齢者にとって、ペットと自由に触れ合えるカフェの存在は非常に重要です。最近では、このようなカフェが非常に増え、毎日のように足を運ぶ愛犬家・愛猫家がたくさん存在します。どの犬猫も非常に人懐っこく、来店者を飼い主の帰りのように出迎えてくれます。こういったサービスが成り立つようになった理由も、複雑な思いを孕んだ飼い主とペットの高齢化が大きく関係している事実は否定できないように思います。