ペットの火葬
僕の実家の庭ですが、実は数え切れないほどの数の動物が埋められています。金魚や鯉などの魚、インコや十姉妹などの鳥、リスやハムスターなどの小動物が大半です。どれも僕や兄弟が飼っていた生き物たちで、いろいろな理由で死んでしまった際に埋めたのです。
子供の頃、大切な動物が死んでしまったと一頻り泣き続けた後、どこに埋めるかで真剣に困ったものです。なぜなら、我が家の庭に無数の動物たちが埋葬されているのを知っていますから、次はどこに埋めれば大丈夫なのか不安になるわけです。そもそも埋める際に、枝を挿したり石など目印になるものを置いておくのですが、手を合わせて拝んだり思い出に耽るのも数日だけで、その後はすっかり忘れ去られてしまう始末・・・。月日が経てば草も伸びますし、目印のものも何処かへ無くなってしまい、いつの間にか跡形もなくなってしまうのです。つまりその繰り替えしなわけで、家族全員正確な位置を把握していないという事態になるんですよ。
一番不運なのは趣味が園芸の母親で、子供が勝手に庭中に動物の死骸を埋めたせいで、掘り起こせば何か出るんではないかとビクビクしていましたね。ほとんどの生き物がそのまま埋めただけですから、月日が経てば自然に帰っていくのですが、一度だけすごく可愛がっていたインコを箱に入れて埋めたことがあり、母親がそれを掘り当てたことがありましたっけ・・・今思うと悪いことをしたなぁと感じます(笑)。
自然に帰るとはいえ、そこら辺の空き地に埋めるわけにはいきません。田舎や森や林ばかりの場所ならいいかもしれませんが、他人の土地ですしやっぱり良くないですよね。とはいえ、最近は庭の狭い家庭も多いですから、現実的に庭に埋葬するのも難しいでしょう。また、犬や猫などの動物を埋めるわけにはいきませんね。昔は保健所でお願いするのが当たり前でしたが、愛犬家などペットを家族同然で可愛がる家庭が増えたのと同時に、もっと愛情のこもった最後にしてあげたいと考える人が増えたのです。
そこで多くの人が利用するのがペットの火葬をお願い出来る業者です。ペット専門ですから、人間の葬儀場が副業的にやっているわけではありません。ペットの仮葬にはいくつか方法があるようで、火葬場で火葬してもらう方法の他に、火葬車なる車が自宅まで出向いてくれて、近場のどこかご近所さんに迷惑にならない場所で火葬を行ってくれるという方法もあるのです。遺骨も受け取ることが出来たり、きちんとお寺で供養することも可能で、ペットを大事に思う家族にとっては有り難いサービスだと思います。