憧れのペット業界で働きたい理由は・・・求人募集
僕の友人のRちゃんは、専門学校を卒業して動物看護師なりました。高校入学当時から「動物関係の仕事したいの」と話していて、彼女は立派にその夢を実現したわけです。そして彼女が動物看護師の専門学校に進学が決まった高校卒業直後の3月、彼女から1通の手紙が届きました。そこには僕の知らない、彼女が動物看護師を目指した理由が書いてあったのです・・・。
丁度中学に進学したばかりの夏、幼なじみだった僕たちは放課後も遊ぶ約束をしました。当時僕は母親とお金を出し合ってオカメインコ(大型のインコ)を飼い始めていました。とても人懐っこくて、僕は毎日肩に乗せて遊んでいました。その日もオカメインコをまだ見せていないRちゃんに見せる約束をし、家に来てもらう約束をしました。帰宅後少しするとRちゃんは愛犬と一緒にやって来ました。僕はオカメインコをいつものように肩に乗せ、庭を抜けて家の前の道まで急いで行きました。「わぁ可愛い!」と動物好きなRちゃんは喜んだので、僕も嬉しくてRちゃんの肩に乗せてあげようと近づきました。
その時です、全ては一瞬の出来事でした。僕の肩で動いているオカメインコに興味を示したのか、Rちゃんの犬が「ワン!」と吠えたのです。その声に驚いたオカメインコは急に騒ぎ始めて、羽をバタつかせて肩から地面めがけて飛び立ちました。狩猟犬と同じ犬種だからか犬の本能か、次の瞬間寸分の狂いなくオカメインコに噛みつき捕まえたのです。僕もRちゃんも必死で犬の口からオカメインコを取り戻し、血まみれでグッタリした体を抱きしめたまま必至で母の元へ走りました。車に乗り込む僕のそばで、Rちゃんは何度も「バカ!バカ!」と泣きながら犬を叩いていました。
母と二人で向かった動物病院はすでに閉院していましたが、無理を言って出てきてくれた獣医さんは、少しオカメインコを見てすぐに「もうだめだね・・・残念だけど」と息絶えていることをそっと僕に告げました。
夏服になったばかりの真新しい真っ白なシャツは、僕の不注意で失った家族の血で赤く染まっていました。
僕はその晩ずっと泣きながら自分を責め続けました。どれだけバカだったか、僕の注意が足りなかったばかりに、幼なじみのRちゃんにまで嫌な思いをさせてしまったのだと。
翌日、目を真っ赤に腫らしてRちゃんは愛犬と一緒に僕に謝りに来ました。僕はRちゃんや愛犬のせいではなく、僕自身の不注意だったと謝りましたが、Rちゃんの目からは大粒の涙がいくつも流れ落ちていました。
その後しばらくは前のように遊ぶ日々が続きましたが、部活動の忙しさなどもあって徐々に疎遠になっていました。彼女が「動物関係の仕事がしたい」と話してくれた時、僕はなんとなく心が揺れたけれど、その時は何も気が付きませんでした。
Rちゃんの手紙には、今でもあの時の後悔が綴られていました。自分を責めながらもどこかで終止符を打っていた僕だけど、Rちゃんの心にはもっと深い傷が残っていたのを知りました。どれだけ言葉を考えても「Rちゃんのせいじゃないよ」としか言えない僕でしたが、Rちゃんは「がんばるね」と笑っていました。
こんな風に自分のペットとのことがあって、動物関係やペット業界で働こうと決意した方はたくさんいるのかもしれません。命を扱う仕事ですし、可愛いだけではない重労働もあるでしょうが、強い思いがある分やりがいのある仕事なのだと思います。専門的な知識も必要ですが、需要はたくさんあると思うので頑張って第一線で働いてくださいね。
今回は妙に小説調でした(笑)。